一人親方特別加入制度で万が一に備えよう

特別加入に携わる各団体のメリットとデメリット

建設業に携わる一人親方を対象とした労災保険の一種となるのが、一人親方特別加入です。

一般的に、労災保険に加入するためには団体に所属する必要がある為、いわゆる建設現場などで建築業に携わる方にとっては個人と見なされ、危険な現場にもかかわらず労災保険に加入することができませんでした。こうした状況を是正するために誕生したのが、一人親方の為の労災保険である一人親方特別加入制度で、この制度を利用することで、雇用関係を結んでいない状況で仕事を請け負い従事している一人親方の方でも、労災保険による保障を受ける事ができます。

現在のところ、一人親方特別加入制度を利用する為には、およそ3つの種類に分けられる団体に所属し、加入する必要があります。ですから、実際に労災保険の加入を希望されている労働者のニーズや希望に応じて、これら3つのタイプから団体を選び、加入しなくてはいけません。

まず、1つ目に挙げられるのが、土建組合など建設業界団体として活動している団体です。現在、一人親方特別加入制度を利用している方の半数以上が、この団体による加入を利用していると言われています。非常に安定した経営基盤から労災保険を受給することができる反面、団体にかかわる様々な活動や行事に参加する必要があるなど、多少の煩わしさがデメリットといえます。

2つ目が、社会保険労務士という資格職を通じて加入する、事務組合です。社会保険に関する専門家とその団体である社労士の事務組合による労災保険なので、様々なトラブルに対応できる反面、組合費や加入の際に窓口となった社労士に対して手数料を支払う必要があります。

そして、3つ目に挙げられるのが、インターネットを中心に活動を行っている新規組合団体です。 組合員自体をインターネットを通じて募集している為、組合費が非常に割安となっているメリットが有ります。反面、あくまでもインターネット上など仮想的な状況で取引ややりとりとなるので、信頼性という意味でのデメリットが発生します。

このように、一人親方特別加入による労災保険制度を利用するためには、上述した3つのタイプの組合や団体を通じて加入すると良いでしょう。